検査科顧問  杉原 三郎
中央検査部長 久富 大樹

 特徴

 中央検査部は臨床検査を専門に行う部門です。地域住民の医療及び公衆衛生の向上に貢献し、学術の研鑽に励み、臨床検査情報の迅速な提供と管理に努めております。また、院内のチーム医療にも中央検査部として積極的に参加しています。

 検体検査(生化学、血液、免疫、輸血、一般)・微生物検査・病理検査・生理検査など各検査は臨床検査技師の国家資格及び各種学会認定資格等を持った技師が責任を持って検査を行い、信頼性の高いデータを提供しています。当検査部では臨床検査迅速報告システムを開発導入することで、病気の早期診断、治療に寄与しております。

 診療時間外も検体検査は、ほぼ診療時間と同様の検査項目が実施できる体制を構築しています。24時間体制で急患及び病棟での急変患者さんの検査を迅速に実施出来るように業務に臨んでいます。

中央検査部総件数

横スクロール、スワイプで全体をご覧いただけます。

  R2(2020)年度 R3(2021)年度 R4(2022)年度 R5(2023)年度 R6(2024)年度
検査総件数 1,303,173 1,375,166 1,400,686 1,377,035 1,331,856

認定資格保有技師数

超音波検査士:(循環器)2名、(血管)1名、(体表)1名、(消化器)1名、血管診療技師1名、認定輸血検査技師1名、I&A輸血査察員1名、細胞検査士3名、国際細胞検査士1名、認定臨床微生物検査技師1名、感染制御認定臨床微生物検査技師1名、糖尿病療養指導士2名、NST専門療養士1名、臨床工学技士1名、緊急臨床検査士4名、認定一般検査技師1名、認定救急検査技師3名、医療情報技師2名、第一種衛生管理者1名、医療環境管理士1名、医療事務管理士1名、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任3名、有機溶剤作業主任者2名、石綿作業主任者1名、POCコーディネーター3名、二級臨床検査士1名、心電図検定2級1名、医用質量分析認定士1名、健康食品管理士2名

品質保証施設認証

中央検査部は一般社団法人日本臨床衛生検査技師会が行っている『品質保証施設認証』を取得しています。これは臨床検査データが標準化され、かつ精度が十分保証されている施設に対して認証が行われ、高い信頼性を示すものであります。今後も中央検査部はこれに奢ることなく検査精度および患者サービスの向上を目指し、より良い医療に貢献していきたいと考えております。

施設認定一覧

  • 超音波検査室の精度認定(腹部・心臓・血管・体表・健診) 日本超音波検査学会
  • 認定輸血検査技師制度指定施設認定 日本輸血・細胞治療学会
  • 日本臨床細胞学会施設認定 日本臨床細胞学会

生化学検査

血液や尿に含まれる成分を分析することで、患者さんの健康状態や病気の有無、程度を調べる検査です。体内に含まれる酵素や蛋白、非蛋白窒素化合物、糖、電解質など、検査する項目は多岐に渡ります。当院では2台の分析装置を用いることで、時間外の検体や緊急を要する検体においても、迅速に結果を返すことができます。(写真:臨床化学自動分析装置)

免疫検査

血液や尿に含まれる抗原、抗体、ホルモンなどを測定することで、体内の免疫機能や感染症、自己免疫疾患などを調べる検査です。人間の体は細菌やウイルスといった異物(抗原)に対し、抗体を作り結合することで異物を排除します。免疫検査では、この抗原抗体反応を利用して検査を行います。肝炎、梅毒といった感染症やCOVID-19、インフルエンザの検査、各腫瘍マーカーなどの検査を行っています。(写真:全自動免疫測定装置)

血液検査

血液中の成分を測定して炎症や貧血、出血傾向がないか調べる検査です。血液検査では赤血球や白血球、血小板などの血球数を測定することで貧血の種類や原因の検査を行い、顕微鏡で各血球の形態を観察することで血液疾患の検査をします。凝固検査では血液の固まる時間や凝固因子の測定をすることで、出血傾向や血栓症の有無の検査、または抗凝固薬の効果判定などを行います。(写真:多項目自動血球分析装置)

一般検査

当院では、 尿や便、髄液、体腔液など、血液以外の検体を取り扱っています。尿検査は代表的な無侵襲検査であり、病気を推測するための検査として広く利用されています。尿検査には主に定性検査、沈渣検査(写真)があり、腎・泌尿器系の病変のみならず、肝・胆疾患や糖尿病などの疾患を推測する上で大変重要な検査です。また便検査は、糞便中に血液成分が含まれているか確認する検査で、消化管出血や大腸癌のスクリーニング検査として用いられています。その他、髄膜炎・脳炎などの診断・治療に欠くことのできない髄液検査や、体腔液検査、感染症迅速診断検査、妊娠反応、石綿小体計測(アスベスト)の検査も行っています。(写真:全自動尿検査システム)

輸血検査

主に輸血に関わる検査を担当します。患者さんの血液型検査や、輸血後に溶血性の反応を示す恐れのある不規則抗体の検査、輸血製剤と患者さんの血液が適合するか調べる交差適合試験など行います。また血液センターと連携し、輸血用製剤の迅速かつ適切な運用にも携わっています。その他、患者さんの自己血の保管等も行っています。(写真:全自動輸血検査装置)

病理検査

 病理検査とは、手術や生検などで採取された組織や細胞、臓器を顕微鏡で観察し、癌といった悪性細胞の診断や病態の評価を行う検査です。病理組織検査では得られた組織・臓器をパラフィンと呼ばれる物質で包埋し、厚さ数μmに薄切して標本とし、病理医が組織そのものを検査します。細胞診検査では分泌物や擦過して採取した検体をスライドガラスに塗り、染色して顕微鏡で見ることで異常な細胞を見つけ出します。当院では「細胞検査士」という資格を持った検査技師が検査を行い、臨床に貢献しています。(写真:ミクロトーム)

微生物検査

尿や喀痰、血液といった臨床検体から病原微生物を検出・同定し、治療に用いられる薬剤の効き目を調べる薬剤感受性検査を行います。その中で、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)など特定の種類の抗菌薬が効きにくい、または効かなくなった薬剤耐性菌を検出することもでき、治療方針の決定に貢献しています。またICT(Infection Control Team)やAST(Antimicrobial Stewardship Team)といったチーム医療の一員としても積極的に業務に取り組んでいます。当院では2024年より質量分析装置を導入しました。病原微生物の迅速かつ正確な同定に大きく貢献しています。(写真:質量分析装置)

生理機能検査

生理機能検査とは、患者さんの身体を直接調べることにより、体の状態を調べる検査です。内容は多岐に渡り、心電図検査や呼吸機能検査、脳波検査、神経伝導検査、終夜睡眠ポリグラフィー検査、超音波検査などがあります。また当院は全国労災病院の中でも数施設しかない、振動障害検査の実施施設でもあります。その他、心臓カテーテル検査や術中脳脊髄モニタリング検査、健診業務など、他職種スタッフとの連携業務にも積極的に携わっています。(写真:超音波検査の様子)

 「検査の豆知識」の紹介

  患者さんとのパートナーシップとして、情報紙「検査の豆知識」を発行しています。
 この情報紙は、採血待ちの患者さんや入院患者さんに『今まで知らなかった検査の意義』や『病気と検査』など検査について理解を深めていただくことを主な目的とし、中央検査部受付前に設置しています。
 今後も患者さんの要望をお聞きしながら、検査に関する身近なテーマを取り上げるとともに最新の情報も提供していきます。

受付
受付
image32.gif
検体搬送ラインと生化学分析装置
image33.gif検査の豆知識